【9月21日 AFP】インド警察は20日、北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州で男2人にレイプされ生きたまま火を付けられたとされる16歳の少女が、搬送先の病院で死亡したと明らかにした。

 少女は、ヒンズー教のカースト制度最下層のダリット(Dalit)出身。女性に対する犯罪率が高いインドでも、特にダリットの女性は性暴力の標的とされやすい。

 農村地域に住む少女は今月、男2人に襲われ、火を付けられたとみられている。州都ラクノー(Lucknow)の病院に搬送されたが、その時の負傷とやけどが原因で19日に死亡した。

 地元警察のディネシュ・クマール・プラブ(Dinesh Kumar Prabhu)署長は、「通報から2時間以内に容疑者を逮捕した。容疑者に適切な措置を取ることを遺族に約束した」とAFPに語った。

 証言を阻止するためにカーストの低い被害者遺族が脅迫されたり襲撃されたりする事例が相次いでいることから、不測の事態を防ぐために少女の自宅周辺に警官隊が配備されたという。

 人権活動家らによると、ダリットコミュニティーは司法アクセスが不十分で、警察に通報しても真剣に取り合ってもらえないことが多い。

 ウッタルプラデシュ州ではレイプ殺人が後を絶たない。先週にも、ダリットの15歳と17歳の姉妹が6人に集団レイプ・殺害され、遺体が木につるされた状態で発見されたばかり。

 政府の統計によると、インドでは昨年3万2000件近いレイプ事件が報告されたが、氷山の一角とみられている。(c)AFP