【9月24日 AFP】英国のチャールズ国王(King Charles III、73)との不倫を乗り越え、2005年にようやく結婚に至ったカミラ王妃(Queen Consort Camilla、75)。国内で行われる王室メンバーの人気調査で上位に入ることはないが、最近、支持率が急上昇している。特にエリザベス英女王(Queen Elizabeth II)の死後、一連の行事を通して伝えられた姿への好感度が高い。

 昨年の世論調査では、王妃になってほしいという回答は半分にも満たなかったが、英調査会社ユーガブ(YouGov)が今月13日に発表した調査では、カミラ王妃は立派に務めを果たすと思うという回答が53%に上り、そうは思わないという回答は18%にとどまった。

 ロンドンで女王の弔問のために並んでいた男性は「この5年か10年で(カミラ王妃に対する)考えが変わった」と話した。「これまでのことを振り返ってみれば、ずっとチャールズ国王を傍らで献身的に支えてきたわけですし、王妃になる資格はありますよ」

 また、数学教師だという女性(57)は、女王が亡くなってからのカミラ王妃は特に「素晴らしかった」と称賛。公の場でチャールズ国王に何をすべきかをそれとなく手引きしていることに気付いたという。

 スコットランド・エディンバラの聖ジャイルズ大聖堂(St Giles' Cathedral)で12日、チャールズ国王ら女王の子女4人がひつぎを囲む儀式を行った際、カミラ王妃は女王から贈られたスコットランドの「国花」アザミをかたどったダイヤモンドのブローチを身に着けていた。タブロイド紙はその気配りを褒めたたえた。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によれば、カミラ王妃は女王が死去する前に足の指を骨折していた。関係者の一人は、「王妃はかなりの痛みに耐えながら(公務を)続けている」はずだが、「不満を一切漏らさない」と話している。

 即位後の北アイルランド訪問で、チャールズ国王が記帳の際に万年筆のインクが漏れて指が汚れたことにかんしゃくを起こした時は、冷静に対応するカミラ王妃の様子がカメラに捉えられた。

 カミラ王妃の伝記作家、アンジェラ・レビン(Angela Levin)氏はデーリー・テレグラフへの寄稿で、「カミラ王妃は50代まで比較的普通の生活をしていた」ため、チャールズ国王よりも国民の考えをよく理解していると述べている。

 カミラ王妃が自分の意見を表明することを許されるかどうかはまだ分からない。女王の死後、王妃自身の言葉を国民が聞く機会はまだ訪れていない。(c)AFP/ Juliette MONTESSE