【9月20日 AFP】19日に執り行われたエリザベス英女王(Queen Elizabeth II)の国葬では、かつて「ファブ・フォー(すてきな4人)」と呼ばれたウィリアム皇太子(Prince William)とキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)、ヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)が一緒に女王のひつぎの後ろを行進した。

 だが、舞台裏ではヘンリー王子の軍服着用や王子夫妻の子どもの肩書をめぐる確執があると伝えられ、来年には王子による回顧録出版が控えていることもあり、国葬で両夫妻の距離が近づいた様子はうかがえなかった。

 ウィリアム皇太子は、軍服姿で国葬に参列。一方、王室を離脱して以来、軍服着用を禁じられているヘンリー王子は、勲章を着けたモーニングスーツ姿だった。女王のひつぎがウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)に運び込まれると、軍服姿の王族が敬礼する中、ヘンリー王子は目を伏せて立っていた。

 4人はひつぎの後ろを行進した際に互いに目を合わせることはなく、座席もウィリアム皇太子一家とヘンリー王子夫妻では別々だった。皇太子夫妻と長男ジョージ王子(Prince George)、長女シャーロット王女(Princess Charlotte)の一家は、チャールズ国王(King Charles III)やアン王女(Princess Anne)、アンドルー王子(Prince Andrew)、エドワード王子(Prince Edward)と共に最前列に着席。一方のヘンリー王子夫妻は2列目で、いとこのベアトリス王女(Princess Beatrice)と並び、国王夫妻の真後ろに座った。

 ヘンリー王子は17日夜に行われた女王のひつぎを囲む儀式では軍服を着ていたことから、国葬にも軍装で参列することが許されるのではないかとの見方も出ていた。軍服の許可は、ヘンリー王子とメーガン妃との和解に向けた国王の計らいとみられている。

 女王の死去から2日後の10日にも、ウィリアム皇太子夫妻とヘンリー王子夫妻がウィンザー城(Windsor Castle)前にそろって姿を現したことで、和解への期待が高まった。しかし、英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は関係者の話として、今のところ「有意義な和解はない」と伝えている。(c)AFP/Helen ROWE