【9月19日 AFP】南アフリカ最大の民族集団ズールー(Zulu)の王の顧問が17日夜、伝統儀式「リードダンス」の出席後に殺害された。地元議員が明らかにした。ミスズールー・カ・ズウェリティニ(Misuzulu ka Zwelithini)王は、先月即位したばかり。

 地元議員によると、王の顧問であるドゥミサニ・ブラジウス・クマロ(Dumisani Blasius Khumalo)氏は、東部クワズールー・ナタール(KwaZulu Natal)州の北に位置するノンゴマ(Nongoma)で開催されたリードダンスに出席した直後、武装した男らにより殺された。

 ミスズールー王もクロマ氏が殺害されたことを確認している。

 リードダンスは、ズールー人の若い女性が集結して舞う数百年続く伝統儀式。17日には、約1万人がノンゴマに集まっていた。ズールーの人口は1100万人で、南アフリカのほぼ5人に1人に相当する。

 今回のリードダンスは、王の即位後初めて行われた。王の反対勢力は、儀式が行われれば「血の海」になると警告していた。

 クマロ氏は、王の最高顧問としてズールー人コミュニティー内の紛争解決を担当していた。

 50年にわたり君臨したグッドウィル・ズウェリティニ(Goodwill Zwelithini)前王が昨年死去して以来、王室では後継者争いが続いている。

 新王は17日の儀式で王室内の「友好と結束」を呼び掛けていた。(c)AFP