【9月16日 AFP】韓国は16日、朝鮮戦争(Korean War)で戦死した中国兵88人の遺骨を中国に返還した。遺骨の引き渡しは、5月の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)政権発足後では初めて。

 首都ソウル近郊の仁川(Incheon)にある空港で式典が開かれ、生配信された映像によると、遺骨を納めた木箱が儀仗(ぎじょう)兵によって運ばれ、中国空軍の輸送機に積み込まれた。

 遺骨は数時間後に中国北東部の瀋陽(Shenyang)に到着。軍の式典が開かれ、朝鮮戦争に従軍した退役軍人が出席した。

 両国は2014年、遺骨の引き渡しで合意した。引き渡しは今回が9回目で、中国に返還された遺骨はこれで913柱となった。

 尹大統領は安全保障上の主要同盟国である米国との関係強化に動く一方、中国との友好関係も維持したい考えだ。

 1950~53年の朝鮮戦争は、中国では「抗美援朝(米国の侵略に抵抗し、北朝鮮を支援する)戦争」として知られる。推定300万人規模の中国軍部隊が北朝鮮側につき、戦況を変えた。

 中国軍の死者数は現在も確定した数字は存在せず、西側諸国では40万人が亡くなったとの見方が強い一方、中国は約18万人が犠牲になったとしている。(c)AFP