【9月17日 AFP】ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)のファンは、フェデラーを史上最高の選手と呼ぶが、四大大会(グランドスラム)の優勝回数では長年のライバルであるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の後塵(こうじん)を拝したまま、現役生活に終止符を打つことになる。

 グランドスラム通算20勝を誇る41歳のフェデラーは、15日に引退の意向を表明。タイミングは予想外だったが、膝の故障に悩まされていたことを考えれば、決断自体はそれほど驚きではない。24年間で1500試合以上プレーし、きしんでいた体が過酷な競技には耐えられなくなったと本人も認めており、時の経過は避けられなかった。

 フェデラーが頭角を現したのはピート・サンプラス(Pete Sampras)氏から金星を挙げた2001年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)。その2年後にウィンブルドンで初制覇を果たすと、同大会では以降計8度タイトルを獲得した。

 2009年のウィンブルドンでサンプラス氏の記録を抜く当時男子歴代最多のグランドスラム通算14勝目を挙げ、テニス界の頂点に上り詰めたとき、ナダルのグランドスラム優勝回数はまだ6回で、ジョコビッチはわずか1回だった。

 2010年以降はグランドスラムでの優勝ペースが衰えたフェデラーに対し、ライバル二人は勢いを増し、その後10年間で着実にタイトルを積み重ねてきた。

 フェデラーも2017、18年に再びグランドスラムでの優勝を経験したが、ナダルは2020年の全仏オープン(French Open 2020)で通算20勝目に到達し、ジョコビッチも21年シーズンにグランドスラム3勝を記録してこの数字に追いついた。

 今年はナダルが全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)とローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)を制し、グランドスラム男子歴代単独1位の22勝目を記録。ジョコビッチも通算7度目のウィンブルドン制覇でフェデラーを抜く同21勝目を挙げた。