【9月16日 People’s Daily】長江の宜昌(Yichang)区間では、クルーズ客船が行き交い、注目を集めている。乗客が乗船した後、デッキにいても、船室内にいても、エンジンの轟音(ごうおん)は聞こえず、ディーゼルの刺激臭もしない、それが「長江三峡1号」完全電動クルーズ客船だ。

 電気エネルギーがディーゼルを代替し、気になる騒音や異臭はなく、ディーゼルエンジンなら時折見せる揺れもなく、船はよりスムーズで静かに走る。「電力の供給源は三峡のクリーンな水力発電で、従来の動力船に比べ、年間530トンの燃料油を代替し、1660トンの各種有害ガスの排出を削減でき、ゼロエミッションを真に達成する」と、三峡集団(China Three Gorges Corporation)三峡電能会社技術管理部の張豫(Zhang Yu)営業部長は述べた。今年3月の初航海以来、「長江三峡1号」は40回以上出航し、累計約3万人の乗客を乗せて航行した。

 近年、水素燃料、液化天然ガス(LNG)、メタノールなどのクリーンエネルギーが従来の燃料に代わり、旅客船、貨物船、エンジニアリングシップ、作業船などのさまざまな分野の大型船や小型船に使用され、グリーン・低炭素化の世界的潮流の中で海運業界の新たな選択肢となっている。

 また、クリーンエネルギーの船舶分野での大規模な応用は、船舶のスマート化レベルの向上をもたらし、自動運転や作業の自動化などの複雑な機能も船上に適用されるようになった。

 江南の水郷の蘇州(Suzhou)では、遠隔操作で作業任務を設定すると、無人清掃船があらかじめ決められたルートで作業し、すぐに水草や浮遊物を満載してスムーズに戻った。清掃作業員は水に入ることなく、岸辺でごみカゴを投げ入れるだけで済む。また、電力が低下すると、無人船は自力で戻って充電してから、再び作業に入る。「作業員2人が1日8時間働く場合、45ムー(約3万平方メートル)の水域の日常の保守管理作業が完了できるだけだ。一方、わが社の小型無人清掃船の『smurf』は、水面の98%が浮遊物で覆われていても、7.5時間で70ムーの水域の清掃を完了することができる。無人船を利用することで、異常気象時の安全性や効率性の問題も改善できる」と、欧卡智舶の最高経営責任者(CEO)の朱健楠(Zhu Jiannan)氏は述べた。

 山東省(Shandong)青島港(Qingdao)と董家口港(Dongjiakou)の間で、コンテナを満載した「智飛」号が風に乗り波を割って進んでいる。これは中国が独自に開発した初の自律型300TEUコンテナ船であり、ハイブリッド動力船だ。「『智飛』号は、航行環境のスマートな感知・認識、自動トラッキング、航路自動計画、スマート障害物回避、自動停泊・出港、遠隔リモート操縦などの機能を備え、5Gや衛星通信などの複数ネットワーク・マルチモード通信システムを通じて、港湾、海運、海事、航海保障などの陸上生産、サービス、調整コントロール、監督管理などの機関・施設と連携する」と、「智飛」号の投資・建設主体の智慧航海(青島)科技有限公司の姜海鷹(Jiang Haiying)董事長は述べた。

「船舶のスマート化レベルを向上させ、最終的には無人化を実現することは、海運業の発展にとって必然的なトレンドになるだろう。クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、ビッグデータなどの技術が次々とブレークする中、一部のキーテクノロジーが開発され、改善されつつある」と、姜董事長は述べた。スマート海運の発展とともに、ますます多くの中国企業がスマート船舶のブルーオーシャンに進出していくだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News