【9月16日 People’s Daily】6月下旬、中国高速鉄道の鄭渝線が開通し、重慶(Chongqing)から鄭州(Zhengzhou)までの乗車時間は8時間から4時間に短縮され、旅客の移動効率は大幅に上昇した。

 この路線は中国の南西部と華中・華北などを結ぶ交通の大動脈であり、黄河(Yellow River)と長江(Yangtze River)をつなぎ、少林寺・南陽武公祠・古隆中など数多くの観光地を数珠つなぎにする。鄭渝線が開通して半月のうちに、沿線の巫山県(Wushan)では210万2000人の観光客を迎え、前年同期比49.7%の増加を記録した。

 多くの新路線が開通し、都市間を移動する時間は短縮され、「高速鉄道の旅」がこの夏ブームを迎えている。オンライン旅行サイトの途牛(Tuniu)における直近15日の予約データによると、高速鉄道を主な交通手段として使う旅行者はシーズン比132%を記録した。中国最大級の旅行代理店サイト馬蜂窩(Mafengwo)では、「高速鉄道の旅」の検索数が310%増えたという。高速鉄道は今や、旅行の際に最初に挙がる選択肢となり、勢いを増し続けている。

 現在、週末や連休を利用した、思い立ったらすぐに行ける小旅行は、すでに多くの人にとって主流の選択となっている。高速鉄道の速さ、快適さは多くの旅行客に愛され、人々は移動時間を短縮し、目的地でより深くその土地を探索し、親子で楽しめるスポット・音楽・グルメなどテーマ性を持った旅行を楽しむようになった。

 先日、世界初の砂漠環状鉄道線である新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)和田(ホータン、Hetian)-若羌(チャルクリク、Ruoqiang)間を結ぶ和若線が開通した。和若線は中国西部地区の重要な幹線鉄道であり、新疆鉄道を構成する重要路線のひとつである。これにより南新疆と内地の往来は速く、便利になった。現在、同地域では多くの県で鉄道のない時代が終わり、旅行客は座りながらタクラマカン砂漠(Taklamakan Desert)を超え、ニヤ遺跡などの文化遺産を巡ることができ、以前ならとても行けなかったような場所の風景を楽しめるようになった。途牛の旅行プラットフォームでは、同エリア関連の鉄道旅行の予約が大幅に増えている。

 馬蜂窩旅行研究院の馮饒(Feng Rao)院長によれば、ここ2年間で中国の鉄道網は整備が進みつづけ、都市間の距離は絶え間なく短縮され、旅行客の行動範囲は広がった。

 高速鉄道の拡大は沿線の観光業の発展を大いに後押ししている。湖北(Hubei)・重慶などでは高速鉄道のチケットで有名な観光地の入場料を半額にしたり、無料にしたりするキャンペーンを打ち出している。近頃、江蘇(Jiangsu)・上海・浙江(Zhejiang)・安徽(Anhui)の4地域の文化・観光管理部門は共同で高速鉄道網に合わせた観光ルートを発表した。省をまたいだ観光や、都市を拠点に周辺都市をめぐる旅行の市場を活性化し、成長する観光業のニーズにこたえる狙いがある。(c)People’s Daily/AFPBB News