■「依存関係」

 メディオニ氏は、英女王の死去のような出来事の報道姿勢について、メディアに内省が見られないと考える一方で、一般市民も「情報過多」なニュースと「依存関係」にあると指摘する。

「われわれはニュースという名のビッグマック(Big Mac)ミールをスーパーサイズで注文してきた。体に良くないことをわれわれは理解している。ある種の疲労を感じるからだ。だが、やめ方も分からずに消費し続けている」

 この疲労からの解放は「メディアや民主主義に関わる問題というだけでなく、市民の健康問題でもある」とメディオニ氏は述べている。

 さらに、ニュース業界で働く人もこの疲労と無縁ではいられない。米ジャーナリスト、アマンダ・リプリー(Amanda Ripley)氏は7月、ワシントン・ポスト(Washington Post)での論考で、「何となく恥ずかしい」秘密があると告白。「もう何年も積極的にニュースを避けてきた」と明かした。

 リプリー氏は、メディアは「怒り、恐怖、破滅」を売りにするのをやめ、「組織全体で人々のためのニュースを制作」し始めるべきだと提言した。(c)AFP/Paul RICARD