【9月28日 AFP】オーストラリアの都市部で、オウムが住宅の外に出されたごみ箱の開け方を学んでしまい、そうはさせまいとする人間との間で知恵比べが繰り広げられている。

 専門誌「カレント・バイオロジー(Current Biology)」に13日に掲載された論文によると、知恵比べの相手は白い羽毛に覆われ、とさかだけが黄色の「キバタン」。成鳥は人間の腕の長さほどの大きさになる。

 研究者は当初、シドニーなどに生息するキバタンがごみ箱のふたをこじ開ける方法を見つけ出したことに驚いた。人間が対策を講じても、対応してくる。論文は、キバタンと人間との駆け引きについて、「異種間の知恵比べ」のようなものかもしれないとしている。

 シドニー近郊の森林地帯と、サーファーに人気のビーチの間に位置する風光明媚(めいび)な町、スタンウェルパーク(Stanwell Park)。ごみ箱をめぐる人間と鳥との戦いの最前線だ。

 ローフ・カフェ(Loaf Cafe)の店長アナ・キューリックさん(21)は「ごみを入れた後すぐふたをしないと、(キバタンが)中に入り込んでしまう」と話した。

 家族もキバタンに悩まされている。しかし、フクロウの像を置いてみたこともあったが、効果はなかった。れんがをふたの上に置いても、キバタンはそれを落とせるようになった。結局、ごみ箱に鍵を取り付けたという。

 カフェのシェフ、マット・ホッドさん(42)は「やつらは進化している。5年、10年前はふたを開けられなかった。解決方法を編み出しているんだ」と舌を巻く。

 カフェの近くに住むスキー・ジョーンズさん(40)は、キバタンがごみ箱の上に載せたれんがや、れんがよりも大きい石を落とす方法を習得してしまったため、現在はゴムひもでふたを押さえていると語った。

「じきに鍵をかけることになる気がする」とジョーンズさん。「時間の問題だよ」