デジタル技術で生態環境保護に活力を与える 中国
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【9月16日 People’s Daily】中国雲南省(Yunnan)林業・草原局、シーサンパンナ・タイ族自治州(Xishuangbanna Dai Autonomous Prefecture)林業・草原局、シーサンパンナ国家級自然保護区管護局、浪潮集団(Inspur)が共同で構築したアジアゾウ監視・早期警戒システム稼働後に、ゾウの群れのリアルタイムの状況、個体数、位置情報、状況分析が一目瞭然になった。フロントエンドのモノのインターネット(IoT)センシングデバイスが画像を取り込み、人工知能(AI)技術で種を識別し、エッジコンピューティングモジュールを通じ、リアルタイムで調査・処理を行い、監視・早期警戒情報をスマートラジオやスマートフォンアプリなどさまざまなチャンネルを通じて発表し、村人や周辺住民に事前警戒を呼びかける。
このシステムは、中国林業データセンターによるAI認識技術と野生動物の監視・早期警戒を初めて組み合わせたシステムで、2020年の稼働以来、9000件以上の早期警戒メッセージを発し、人とゾウの衝突の減少や生物多様性保全の推進において重要な役割を担っている。
デジタル経済の隆盛に伴い、インターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AI、ブロックチェーンなどの新技術は、さまざまな産業の融合を加速させ、経済・社会の発展の加速のための強力な基礎となっている。生態環境保護事業において、デジタル技術は効率を向上させただけでなく、保護区に長年蓄積された保全・監視データの有効活用を可能にし、生態環境保護におけるデジタル技術の大きな可能性を示している。
湖北省(Hubei)石首市(Shishou)の長江天鵝洲ヨウスコウカワイルカ国家級自然保護区では、水温、水圧、溶存酸素量から、スナメリの摂餌量、ふんの形態、肌のつやなどのデータを大型スクリーンで表示し、それらの動態情報を更新している。東北虎豹国家公園では、地上用赤外線カメラの24時間監視、上空のリモートセンシング衛星による観測、空中のドローン巡航による「天地空」一体化監視システムでの広域のリアルタイムでの監視が可能で、2万回以上のトラとヒョウの監視画像を取得した。そのほか、撮影した写真をスマート画像認識アプリ「蔚藍地図」にアップすれば、鳥、虫、動物などの野生生物の情報の識別が可能だ。
デジタル技術の上手な活用は、新たな生態環境問題を正確に把握し、タイムリーに追跡し、科学的保護と体系的ガバナンスを促すだけでなく、デジタル経済とグリーン経済の相乗的発展を促進し、生態環境ガバナンスシステムとガバナンス能力の現代化強化のための新たな方法の提供が可能になる。貴州省(Guizhou)では、鉱山地質環境ガバナンス・修復監督管理プラットフォームが「インターネット+リモートセンシング」技術を使って省の鉱山地質環境状況をリアルタイムで監視している。浙江省(Zhejiang)杭州市 (Hangzhou)では、水質サンプリングと18種類のガス分析などの特殊機能をもつドローンが、環境品質のモニタリング機能を効果的に強化している。
手作業による処理からインテリジェントな監視へ。受動的な「反応」から能動的な早期警戒へ。生態環境保護におけるデジタル技術の有効性が明らかになりつつある。
生態優先とグリーン発展の革新的な探求において、中国はデジタル技術の有効性を最大限に発揮し、高レベルの生態環境保護と生態ガバナンスの現代化を実現し、新時代の中国の特色あるグリーンをより濃く、より明るいものとしている。(c)People’s Daily/AFPBB News