【9月14日 AFP】タイの最高裁判所は13日、米ハリウッド映画『ザ・ビーチ(The Beach)』の撮影で南部ピピレ(Phi Phi Ley)島マヤ湾(Maya Bay)の環境が破壊されたとして、政府機関に復旧を命じた。

 映画の制作側は、マヤ湾に「熱帯らしさ」を加えるためココナツの木を数十本植えたほか、砂丘の植物を引き抜いたとされている。

 一方、映画会社「20世紀フォックス(20th Century Fox)」は、浜辺は元の状態のままで、何トンものごみも処分したと主張していた。

 地元当局は1999年末、タイ政府機関、20世紀フォックス、タイのコーディネート会社に対し、環境破壊に対する損害賠償を求める裁判を起こしていた。

 最高裁はこれについて、王室林野局に責任があるとし、同局に対し、30日以内に委員会を設置し、マヤ湾の環境回復計画を策定するよう命じた。

『ザ・ビーチ』は、アレックス・ガーランド(Alex Garland)氏のカルト的人気を誇る小説が原作。レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さん主演で、2000年に公開された。

 映画によりマヤ湾は、1日当たり約6000人も観光客が訪れる人気スポットとなった。しかし、長年にわたり大勢の観光客が訪れた影響で生態系が破壊されたため、2018年10月に環境回復のため閉鎖された。22年に再開されたが、生態系への損害を抑えるため、人数制限が設けられている。(c)AFP