■ロシア側の最大の問題

 ロシアの独立系軍事専門家アレクサンドル・フラムチヒン(Alexander Khramchikhin)氏は、プーチン氏が冬季にウクライナの「社会経済問題」が悪化することを待っている可能性があると指摘する。ロシアが今後ウクライナのインフラに対する攻撃を続け、「甚大な問題」をつくり出すことも考えられるという。

 ロシア側の最大の問題は、軍組織内での人不足と、戦場の実情に疎いとされるトップダウン型ヒエラルキーの慣習にあるかもしれない。これにより、ウクライナ側はその機動性、小さな自律型部隊、愛国心による結束をもってしてロシアに対抗できたのだと、専門家は指摘している。

 フラムチヒン氏は、ロシアは「広大な領土と長い前線を支配することはできない」と指摘。米国が提供する情報は、武器の供与以上にウクライナ政府の支えとなっているとみている。

 ただし、戦況が再びロシア側に有利な方向に戻る可能性も排除すべきではないという。同氏は、次の段階がどう転んだとしても、紛争は長期にわたって続くだろうと予測。「20年続くかもしれない」とAFPに語った。(c)AFP/Didier LAURAS