【9月13日 AFP】アルメニアのニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相は13日、アゼルバイジャン軍との衝突で少なくとも49人の自国軍兵士が死亡したと明らかにした。係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐる紛争としては2020年以降で最悪の衝突となった。

 首相は議会で「現時点で(兵士)49人の死亡が確認されているが、残念ながらこれは最終的な数字ではない」と述べた。

 首相によると、アゼルバイジャン側が12日夜から激しい砲撃を行った後、戦闘は落ち着いているという。

 アルメニアは13日、アゼルバイジャン軍が自国に侵攻しようとしているとして、世界各国の指導者に支援を呼び掛けた。

 アゼルバイジャン国防省は、自軍はアルメニア側の挑発行為に対応しているだけだと説明。民間インフラを攻撃しているとのアルメニア側の主張を否定した。

 同省は今回の衝突で自軍兵士にも犠牲者が出ているとしているが、数字は発表していない。

 アルメニア系住民が多く住むナゴルノカラバフをめぐっては、1990年代と2020年に両国間で紛争が勃発した。

 1991年のソビエト連邦崩壊を受け、ナゴルノカラバフのアルメニア系住民がアルメニアへの編入を求め、独立を宣言したことをきっかけに戦闘に発展。この戦闘で約3万人が死亡したとされる。

 2020年秋の軍事衝突では、6週間の戦闘で6500人以上が死亡した。

 ロシアの仲介で停戦合意が結ばれ、アルメニアが数十年にわたり実効支配していた土地をアゼルバイジャンに引き渡した。また、ロシアが約2000人の停戦監視部隊を展開した。(c)AFP