【9月14日 東方新報】中国・上海市で9月1~3日、世界の先端技術を披露する「2022世界人工知能大会(WAIC)」が開かれた。2018年から始まり、今年で5回目となる大会のテーマは「智聯世界 元生無界(知能で世界を結び、メタバースで国境のない世界を)」。インターネット上の仮想空間「メタバース」に関する出展が目立った。

 大会は上海万博センターをメーン会場とし、北米や欧州、シンガポール、韓国、香港にもサブ会場を設置。開幕式では多くのバーチャルアイドルが賓客を出迎え、米国の通信技術企業クアルコム(Qualcomm)のクリスティアーノ・アモン(Cristiano Amon)CEOによる仮想演説が行われた。

 会場では、デジタルヒューマンが参加するミュージカル「さようなら・ECHO-こんにちは・未来」の上演や、人工知能(AI)が描いた写実的な絵画、AIによる書道の実演、仮想現実(VR)ゴーグルを使ったロボットアームの操作体験、アバター(仮想空間上の分身キャラクター)を使ったダンスコーナーなど仮想空間とリアルを結び付ける出展が数多くあった。

 AIを用いた口紅の品質検査システムや、患者の負担が少ない低侵襲整形外科手術ロボット、家事・介護ロボットなど、生活の中で幅広く使われる先端技術も紹介された。また、ラテアートを作れるカフェロボット、ロボットマッサージ体験、滑らかな動きで伝統戯曲「京劇」を披露するAIロボットなど、来場者を楽しませる出展も多かった。場内では火災探知・救助ロボット犬がパトロールし、来場者の注目を集めていた。

 出展した企業のうち初参加の企業が約30%、上海市以外の国内企業と海外企業の割合が約40%に達した。3日間で約600社が世界に向けて1万人の求人情報を発表した。大会は上海市がコロナ禍の封鎖を解除した後、初めての大型国際イベントで、感染対策を徹底して行われた。海外企業も参加した先端技術イベントを開催することで、上海市の健在ぶりを世界にアピールした形だ。(c)東方新報/AFPBB News