【9月13日 AFP】スイス・ジュネーブの国連人権理事会(UN Human Rights Council)で12日、アフガニスタンの女性・少女の人権をめぐる特別会合が開かれた。出席者は、同国で昨年8月にイスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を握って以降、「性別によるアパルトヘイト(分離)」が広がっているなどとして、国際社会に一致した対応を訴えた。

 ジャーナリストで人権活動家のマブバ・サラジャ(Mahbouba Seraj)氏は「今日、アフガニスタンでは人権は存在しない」と述べ、女性の人権が奪われていると警鐘を鳴らしても何も起きないことに「うんざり」していると語った。

 タリバンはシャリア(イスラム法)を厳格適用し、多くの州で中等教育から女子を排除。女性が政府の仕事に就くことも禁止した。公共の場では、全身を覆う服装の着用を女性に義務付けている。

 サラジャ氏は「アフガニスタンでは女性の存在は消されている」と指摘。同氏ら出席者は理事会に対し、あらゆる人権侵害を監視する独立した専門家グループを設置し、当事者の責任を問うことができる態勢を構築することを提言した。

 アフガンの人権状況に関する国連の特別報告者リチャード・ベネット(Richard Bennett)氏も、同国では「性別によるアパルトヘイト」とも言うべき事態が起きているとして、責任追及態勢の強化が急務だと強調した。

 ベネット氏は、アフガンでは女性の人権が「がくぜんとするほどの後退」を余儀なくされているだけでなく、ハザラ人(Hazara)などイスラム教シーア派(Shiite)系の少数民族も迫害を受けていると報告した。(c)AFP/Nina LARSON