【9月17日 AFP】インスタグラム(Instagram)やフェイスブック(Facebook)にあふれるパーティーや休日、豪華な食事や完璧な風景とはまったく違う、ありのままの日常の一コマを投稿する新しいSNSアプリ「BeReal」が米国で若者を中心に人気を集めている。

 BeRealは1日に1回、全ユーザーに対して写真の投稿を促す通知を一斉送信する。通知が届くタイミングは不定期で、ユーザーは2分以内に写真を撮ってアップするよう求められる。

 このアプリは携帯端末のフロントカメラとバックカメラの両方を使用するため、投稿では自分が今いる場所と「自撮り」がシェアされる。写真が公開されるのは友人間のみだ。

 フィルターを使って「映える」ように写真を加工することはできない。

「BeRealが理想とするのは、利用者の今を見せること。今どこにいて、今何をしているかです」と、米シラキュース大学(Syracuse University)情報学部のジェニファー・ストレーマーギャレー(Jennifer Stromer-Galley)教授は言う。「最高の場面ではなく、リアルな日常。(中略)犬の散歩中かもしれないし、パジャマ姿でシリアルを食べている時かもしれません」

 アプリ誕生のきっかけとなったエピソードが、BeRealに投資したフランスのベンチャーキャピタリストのブログで紹介されている。それによると、アプリの開発者、アレクシス・バレヤ(Alexis Barreyat)氏はマウンテンバイクのイベントを訪れた際、観客や多くのインフルエンサーがSNS投稿に夢中になるあまり、目の前のショーを完全に見逃している様子を見て衝撃を受けたという。

「多くのインフルエンサーが写真を撮ったり、ストーリーを投稿したり、いろいろなフィルター加工で自分の生活を演出することに夢中で、みんな、イベントそっちのけだった」