【9月12日 CGTN Japanese】中国・オーストラリアの研究者が共同で参加した新たな研究で、大気圧低温プラズマがコロナウイルスの人体細胞への侵入を抑制することがわかり、新型コロナウイルスを予防できる点鼻薬などの薬の開発の基礎が築かれました。

 この研究にはオーストラリアのクイーンズランド工科大学、グリフィス大学、中国のアモイ大学、江南大学、南方医科大学など、両国の複数の科学研究機関が参加しており、関連論文はこのほどオーストラリアの医学誌に掲載されました。

 大気圧低温プラズマは正常な大気圧下で発生し、室温に近い温度を持つプラズマで、安全性および人体許容性の特徴を持ち、滅菌、皮膚の創傷治癒促進、がん細胞の成長抑制などの効用を持っています。

 新型コロナウイルスは、人体細胞の表面にある受容体ACE2と結合して、人体細胞に感染します。研究によりますと、大気圧の低温プラズマに短時間接触しただけでも、細胞表面のACE2受容体がすぐに消失し、新型コロナウイルスが受容体を介して人体細胞に感染する経路を減らし、感染を予防する効果が得られることが分かりました。実験室の培養システムでは、大気圧低温プラズマによるACE2受容体の抑制作用は約9時間だということです。

 これにより、うがい薬や点鼻薬など、新型コロナの予防薬の開発に新たな可能性がもたらされました。また、新型コロナウイルス以外にも、この特性を持っている大気圧低温プラズマが他のウイルスに作用し、ACE2受容体を介して人体細胞に感染するのを予防することが期待されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News