【9月18日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の死去に伴い、チャールズ国王(King Charles III)が即位した。英国君主に関する興味深い事柄をまとめた。

■免許もパスポートもなし

 チャールズ国王は、他の王室メンバーと異なり、旅券(パスポート)なしで海外渡航できる。旅券は自身の名前で発行されるからだ。

 英国旅券を開くと、以下のように記されている。「英国王陛下の臣たる国務大臣は国王陛下の名において、本旅券を所持する旅行者を自由に、支障なく通行させ、必要な扶助と保護が与えられるよう関係諸官に要請する」

 同様の理由で、チャールズ国王は英国内ではただ一人、免許なしで車を運転することができる。

■年2回の誕生日

 エリザベス女王には誕生日が二つあった。本当の誕生日は4月21日で、内輪で祝われていた。もう一つの公式誕生日は6月第2土曜日。夏らしい好天に恵まれることが多く、屋外でのパレードにはうってつけの時期だった。

 チャールズ国王の誕生日は冬の初めの11月14日だが、公式誕生日は、エリザベス女王と同じく暖かい季節に設定される可能性が高い。祝賀のために行われる「軍旗分列行進式(Trooping of the Colour)」の起源は250年以上前。兵士約1400人、馬約200頭、楽団員約400人が一糸乱れぬ行進を披露する。

■選挙権なし

 英国君主は選挙権も被選挙権も持たない。国家元首として、政治には極めて中立な立場を保たなければならない。

 議会開会式に出席し、法案を裁可する他、首相から週1回、報告を受ける。

■白鳥、イルカ、チョウザメの所有権

 英国君主は、国民の上に君臨しているだけではない。

 12世紀以降、イングランドおよびウェールズの開放水域で印の付けられていないコブハクチョウは、英国の君主の所有物とされてきた。

 毎年、テムズ川(River Thames)全域でこの王権を行使した白鳥の個体数調査が行われる。今ではこの伝統が野生生物の保護にも役立てられている。

 君主のこの特権は、英海域のチョウザメやイルカ、クジラにも適用される。