■音楽とサッカー

 音楽の趣味では、英ロックバンドのコールドプレイ(Coldplay)やオーストラリアのハードロックバンドAC/DCのファンだと公言するなど、意外な一面も見せる。

 2006年にはイングランドサッカー協会(FA)の総裁に就任し、しばしば試合を観戦する一方で、ポロやライチョウ狩りという上流階級の社交の場にも参加している。

 キャサリン妃と出会ったのは、夫妻の母校であるスコットランドの名門、セントアンドルーズ大学(University of St Andrews)だった。学内で行われたファッションショーでキャサリン妃を見初め、交際が始まった。

「パーティー王子」として知られるようになった弟とは対照的に、ウィリアム皇太子はより健全なイメージを打ち出した。

 2011年、キャサリン妃と結婚。英空軍で3年間、捜索救難ヘリのパイロットを務めた。夫妻と長男のジョージ王子(Prince George)は、ウェールズ北西部の農場にある家で暮らしていた。

■拡大する役割

 一家はその後、イングランド東部ノーフォーク(Norfolk)に住居を移し、ウィリアム皇太子は2015年に、民間救急ヘリコプターの操縦士の仕事に就いた。「死の瀬戸際に立つ」人々の救助に関わるなど、トラウマになるような経験もしたと語っている。

 2017年には、王室関連の公務に専念するようになった。新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)の際には、ジョージ王子と長女シャーロット王女(Princess Charlotte)が取り組む算数などの自宅学習をキャサリン妃と分担して支えたという。

 エリザベス女王の健康不安や、ヘンリー王子の王室離脱、性的暴行に関する民事訴訟で和解し、公務を停止されたおじのアンドルー王子(Prince Andrew)の存在感低下を受け、ウィリアム皇太子の役割はますます大きくなってきていた。(c)AFP/Anna MALPAS