【9月8日 AFP】英国のリズ・トラス(Liz Truss)新首相は8日、生活費の高騰への対応策として、電気・ガス料金を2年間抑制する計画を発表した。

 さらに政府は、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを目標とする計画の進捗(しんちょく)を再評価することも明らかにした。消費者と事業者のニーズを考慮する一方で、目標達成は引き続き目指していくと強調した。

 英国では来月、一般家庭のガス・電気料金が80%増えるとみられている。ロシアのウクライナ侵攻開始後、化石燃料の供給が制限されていることで、エネルギー価格が上昇しているためだ。

 政府は、エネルギー料金の抑制には数十億ポンドが必要になると試算している。だが、トラス氏とクワジ・クワーテング(Kwasi Kwarteng)新財務相は、今回の施策は自国経済に「大きな恩恵がある」と主張している。

 トラス首相はさらに、環境保護団体が反対するフラッキング(水圧破砕法)によるガス採掘禁止を撤回することも表明した。

 英国はエネルギー需要の大半を天然ガスに依存している。トラス氏は「数十年来のエネルギーに関する短期的思考」に加え、安定したエネルギー供給を確保できなかったことから、英国は価格高騰に脆弱(ぜいじゃく)な状態に陥ってしまったと指摘。「異例の難題には異例の方策が必要だ。英国が二度とこうした状況に陥らないようにするためだ」と述べた。(c)AFP