【9月8日 AFP】国連(UN)は7日、イスラエルの封鎖下にあるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で学ぶ子どもたちが世界とつながれるよう、タブレット端末約890台を配布したと発表した。

 ガザ地区の人口230万人のうち、半数近くが未成年者だ。ほどんとは、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザ地区から出たことがない。パレスチナ当局によると、15年間に及ぶ封鎖でガザの経済は機能不全に陥っており、学校を卒業した若者の74%が職を見つけられずにいる。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校では、昨年試験的に数十人にタブレット端末を配布したのに続き、今年は約890人に対象を広げた。欧州連合(EU)の資金援助を受けた子ども向けコンピューター技能向上プロジェクトを通じて、成長を続けるIT分野でリモートを含む就職機会拡大を目指す。

 UNRWAのガザ地区責任者トーマス・ホワイト(Thomas White)氏は、「収入を得て前に進む機会をガザの若者に提供できる」と語った。

 ガザ地区では停電が頻繁に起き、インターネットアクセスも2Gに制限されている。新品のタブレット端末を受け取ったサルマ・シャミアさん(13)は、「これからプログラミングを学んで、ガザで会社を立ち上げたい」と夢を語った。(c)AFP