【9月7日 AFP】スイスの小売り最大手ミグロ(Migros)は6日、完全に堆肥化できるコーヒーカプセルと専用マシンを発売した。食品大手ネスレ(Nestle)が世界展開するブランド「ネスプレッソ(Nespresso)」の牙城切り崩しを目指す。

 ミグロのコーヒーカプセルは、圧縮したコーヒーを藻類でできた球状の薄い膜で包んでいる。この「コーヒーボール」を入れる卵ケースのような容器や、コーヒーマシン自体もリサイクル素材でできている。

 新製品は、消費者の環境意識の高まりに対応したもの。一般的なコーヒーカプセルはアルミニウムやプラスチックでできており、ごみとして処分されるのに対し、環境問題に敏感な消費者に訴えることができると同社は期待している。

 コーヒーボールと専用のマシンはスイスとフランス市場に投入された。ファブリス・ツームブルンネン(Fabrice Zumbrunnen)最高経営責任者(CEO)は、他の国からも「すでに強い関心」が寄せられており、さらなる展開も視野に入れていることを明らかにした。

 堆肥化できるコーヒーカプセルはすでに出回っているが、生分解性のカプセルを導入したのは同社が初めてという。

 コーヒーボールは、ミグロのマシン「コーヒーB(CoffeeB)」でのみ使用可能で、他社製マシンでは使えない。

 ミグロによると、世界で毎年約630億個のコーヒーカプセルが販売され、約10万トンのごみが出ている。(c)AFP