【9月7日 AFP】米政府は6日、ロシアがウクライナで数か月にわたり続ける激しい戦闘で消費した弾薬を補充するため、北朝鮮から大量のロケット弾などを購入しようとしていることを明らかにした。

 米高官は、ロシアが「ウクライナの戦場で使用する」ロケット弾や砲弾の購入を試みていると説明。「この購入は、輸出規制や制裁などにより、ロシア軍がウクライナで深刻な物資不足に苦しみ続けていることを示している」と指摘した。

 米国防総省のパット・ライダー(Pat Ryder)報道官も、「ロシアが弾薬を求めて北朝鮮に接触したことを示す情報がある」と述べた。

 2月24日にウクライナ侵攻を開始したロシアは当初、同国を数週間で制圧することを目指していたとみられる。だがウクライナは、北大西洋条約機構(NATO)や欧米諸国からの武器や弾薬の支援を受け、ロシアの進軍を阻止。両国は消耗戦に入り、大量の砲弾を使用し、多くの軍用車両を失った。

 ウクライナは、米国などの同盟国から射程の長いミサイルを供与されたことで、前線の背後にあるロシア軍弾薬庫を多数破壊することに成功。ロシア側はさらに、西側諸国の制裁により、軍需品の製造に必要なコンピューターチップなどの部品の入手が困難になっている。

 ライダー報道官は、北朝鮮からの弾薬購入は、ロシアがウクライナ国内の部隊に対する後方補給やサプライチェーン(供給網)で抱える「問題」を浮き彫りにしたと指摘した。(c)AFP