ロシア、独立系紙の認可取り消し 元記者に反逆罪で懲役22年
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【9月6日 AFP】ロシアの裁判所は5日、独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)の発行認可を取り消した。同日にはこれとは別に、著名な元記者が反逆罪で懲役22年の刑を科された。
ロシアの独立系報道機関は近年、かつてない圧力にさらされている。同国が2月にウクライナへの侵攻を開始して以降、当局は報道機関への締め付けをさらに強化。国内ではウクライナ紛争をめぐる報道規制が敷かれ、主要な独立系報道機関はすべて閉鎖や国内での活動停止に追い込まれている。ノーバヤ・ガゼータも3月下旬に発行を停止していた。
ノーバヤ・ガゼータはソーシャルメディアで、モスクワの裁判所が「印刷版発行の免許を無効にした」と発表。これにより同紙は「命を絶たれた」ものの、その「自由な精神」は生き続けるとした。
裁判所も同紙の発行許可取り消しを発表し、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ監督庁(ロスコムナゾール、Roskomnadzor)が開始した法的手続きに基づいた決定だと説明した。同庁は同紙のウェブサイト閉鎖と7月に創刊した雑誌の発行禁止も求めており、今月中に2度の審理が予定されている。
さらにモスクワの裁判所は5日、元軍事記者のイワン・サフロノフ(Ivan Safronov)被告(32)に対し、国家機密を漏らしたとして、反逆罪で懲役22年の刑を言い渡した。
サフロノフ被告は大手経済紙のコメルサント(Kommersant)とベドモスチ(Vedomosti)で、国防や政治、宇宙開発などを担当。ロシアで最も尊敬される記者の一人だった。記者を辞めた後、国営宇宙開発企業ロスコスモス(Roscosmos)の顧問に転身。2020年7月、国家の軍事、防衛、安全保障に関する機密情報を収集し、外国の情報機関に渡した疑いで逮捕された。
裁判を傍聴した約100人の人々は、判決が読み上げられるとサフロノフ被告に拍手喝采し、「自由!」と叫んだ。弁護人は記者団に対し、判決はサフロノフ被告の「ジャーナリズムの仕事」に対するものだと批判。上訴する意向を示した。(c)AFP