【9月5日 AFP】英サッカーのプロ審判員協会(PGMOL)は4日、週末に行われたイングランド・プレミアリーグの2試合で、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)判定の末にゴールが認められなかったのは誤審だと事実上認め、この件に関するリーグ側の見直しに「全面的に協力する」と発表した。

 議論を呼んでいるのはチェルシー(Chelsea)対ウェストハム(West Ham)戦で取り消されたウェストハムの終盤の同点ゴールと、0-0で終わったニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)対クリスタルパレス(Crystal Palace)戦で無効になったニューカッスルの得点。

 PGMOLは問題を「認識している」と発表したが、こうした措置を取るのは異例となっている。

 試合中のVAR判定に関してはすでに、プレミアリーグとPGMOLの各1人と元選手3人の計5人からなる独立したパネルが判定を見直し、試合後に関係クラブに調査結果を送ることになっているが、PGMOLは今回の件を受け、さらにリーグ側の見直しに協力することに合意した。

 チェルシー対ウェストハム戦では、終了間際にウェストハムのマックスウェル・コルネ(Maxwel Cornet)の同点ゴールがVAR判定によって取り消され、デビッド・モイーズ(David Moyes)監督は激怒した。

 アンディ・マドリー(Andy Madley)主審は、ゴール直前にチェルシーのGKエドゥアール・メンディ(Edouard Mendy)がボールをこぼした際のジャロッド・ボーウェン(Jarrod Bowen)の接触について問題なしとして得点を認めたが、VARはマドリー主審にピッチサイドのモニターでこの場面をチェックするよう促し、結果的にゴールは取り消しとなった。

 モイーズ監督は「VARがチェックをするように伝えたのには驚いた。ただ、画面を見てもゴールだから覆りはしないだろうと思った」と話し、「とんでもなくひどい判定だ」と批判した。

 一方、ニューカッスル対パレス戦では、パレスのGKビセンテ・ガイタ(Vicente Guaita)に対するジョー・ウィロック(Joe Willock)のファウルがあったとしてタイリック・ミッチェル(Tyrick Mitchell)のオウンゴールが取り消しとなり、ニューカッスルの得点は認められなかった。

 ニューカッスルのエディ・ハウ(Eddie Howe)監督はモイーズ監督よりは控えめながらも「個人的には取り消しになるはずはないと思っていた。ボールが入ってくる中で、むしろジョー・ウィロックに対するファウル、あるいはプッシュがあったと思った」と指摘し、「仮にゴールでなかったとしても、その場合はPKのはずだから、あの結果には非常に驚いた」と話した。(c)AFP