【9月4日 AFP】先月30日に91歳で死去した旧ソ連最後の指導者ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領の葬儀・告別式が3日、モスクワで営まれた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は公務を理由に欠席し、外国要人の参列もハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相のみと、静かな別れとなった。

 モスクワの労働組合会館「円柱の間(Column Hall)」で執り行われた告別式には儀仗(ぎじょう)兵が派遣され、集まった多くの市民がロシア国旗の下に安置されたゴルバチョフ氏に最後の別れを告げた。

 その後、ゴルバチョフ氏が設立に協力した独立系新聞社ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)の編集長でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)氏の先導で、ひつぎは市内のノボデビチ墓地(Novodevichy Cemetery)へ運ばれた。

 軍楽隊によるロシア国歌の演奏と弔銃の中、ゴルバチョフ氏は1999年にがんで亡くなった妻のライサ(Raisa Gorbacheva)氏の隣に埋葬された。

 ウクライナ侵攻をめぐってロシアが国際的な孤立を深める中、告別式にはゴルバチョフ政権以前のソ連を知る高齢者から、プーチン政権下のロシアしか知らない若者まで、幅広い年齢層の市民が弔問に訪れた。

 ゴルバチョフ氏の改革路線に言及する人も多かった。翻訳者のクセニア・ジュパノワさん(41)は、「長い間欠けていた自由の息吹をもたらしてくれ、恐怖も消えた」と評価。イリーナ・カプラノワさん(19)は、「100%理想的な政治家」ではなかったが「偉大な改革者で、良心に従って行動し、過ちの認め方を知る人」だったと語った。(c)AFP/Michael MAINVILLE