【9月3日 AFP】米南部フロリダ州にあるドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の邸宅「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」が連邦捜査局(FBI)の家宅捜索を受けた問題で、押収された機密文書の一部はトランプ氏の事務室で見つかっていたことが、2日に公開された裁判所文書から明らかになった。事務室からは「機密」と書かれた空のフォルダーも多数見つかったとされ、同氏が機密情報の不適切な取り扱いや司法妨害に及んだとの疑いが強まった。

 フロリダ州の裁判所は、先月8日に行われた家宅捜索で押収された文書の詳細なリストを公表。その中には、トランプ氏が所有権を主張しているものの、法的には米国立公文書記録管理局(NARA)の所有物である非機密政府文書1万1000点以上も含まれていた。

 捜査令状では家宅捜索の理由として、防衛関連の機密文書の違法保持による「スパイ法(Espionage Act)」違反や、捜査妨害、政府文書破壊の疑いが挙げられていた。今回公開された押収文書のリストは、米司法省がトランプ氏に対して進める前例のない捜査の理由となった疑惑を裏付けるものとみられる。

 押収された書類には、「秘」と記された文書が31点、「極秘」と記された文書が53点、「最高機密」と記された文書が18点あった。そのうち、「秘」の文書3点、「極秘」の文書17点、「最高機密」の文書7点はトランプ氏専用の事務室で見つかった。同じ部屋からは、「機密」と記された空のフォルダーも数十点も見つかっており、機密文書が紛失したり破棄されたりした疑惑が浮上している。(c)AFP