【9月2日 AFP】北朝鮮政府は2日、同国の人権問題を担当する国連(UN)特別報告者に先月任命されたエリザベス・サルモン(Elizabeth Salmon)氏について、「米国の操り人形」であり、「許容し難い、向こう見ずな発言」を行っていると非難した。

 ペルー出身で国際法の専門家であるサルモン氏は今週、任命後初めて韓国・ソウルを訪問。韓国政府関係者のほか、脱北女性を含む市民団体のメンバーと面会し、北朝鮮の現状について議論を交わした。

 朝鮮中央通信(KCNA)は、「米国の操り人形にすぎない『特別報告者』については、承認も対応もしないというわが国の方針は既に明確にしてきた」とする北朝鮮外務省報道官の声明を公表。

 この中で同報道官は、「特別報告者の活動は、米国の中傷作戦のカムフラージュ」であり、サルモン氏は「わが国の体制と主権を侵す、許容し難い、向こう見ずな発言」を行っていると非難している。

 サルモン氏は2日、「北朝鮮に特化した人権問題関連の任務について、私の任務も含めて北朝鮮政府が反対することは私もよく理解している」としながらも、「だからといって、挑戦すべきではないということにはならない」との認識を示した。

 北朝鮮の人権問題を担当する特別報告者は2004年に設置されたが、これまで調査のために入国が許された報告者はいない。(c)AFP