【9月4日 AFP】スペインの干上がった貯水池から、11世紀に建てられた教会が姿を現した。さらに水位が低下した別の貯水池からも、紀元前5000年にさかのぼるとされる環状列石の遺跡がよみがえった。

 環境保護省によると、干ばつが続くスペイン各地の貯水池の水量は、8月に満水時の36%未満にまで減少した。

 カタルーニャ(Catalonia)自治州ビラノバデサウ(Vilanova de Sau)では、貯水池の水位低下により、1960年代のダム建設で水没した村のサンロマ教会(Church of Sant Roma)が姿を現した。今年2月には、教会の一部が露出したと報じられていた。

 長年、水中に隠れていた教会を見に訪れた人は「これまで見えていたのは鐘楼だけでした」と語った。

 また、西部エストレマドゥラ(Extremadura)州のバルデカニャス(Valdecanas)貯水池では、通常は水没している小島にある先史時代の環状列石の遺跡が現れた。「スペインのストーンヘンジ(Stonehenge)」と呼ばれる、巨石数十個でできた遺跡「ガダルペラルのドルメン(Dolmen of Guadalperal)」だ。

 1926年に考古学者が発見したこの遺跡は、1963年の貯水池建設で水没していた。

 7月に英科学誌ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)に発表された研究によると、今年、スペインの一部は過去1000年以上で最も乾燥した状態にあり、冬にはさらなる少雨も予想されている。

 映像は8月24、25日撮影。(c)AFP