【9月2日 AFP】アフガニスタンの女性が、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の幹部から暴行やレイプを受け、強制的に結婚させられたと訴える動画をネットに投稿した。この幹部は女性の主張を否定している。

 動画が投稿されたのは先月30日。エラハと名乗る女性が、内務省で報道官を務めたサイード・ホスティ(Saeed Khosty)氏から性的暴行を受けたと主張している。ヒジャブをかぶったエラハさんは20代半ばとみられ、カブール大学(Kabul University)の医学生だと述べている。

 ホスティ氏は、エラハさんとは「合意に基づき結婚」し、その後離婚したとしている。

 これまでに、双方の主張がソーシャルメディアで数千回共有されている。アフガニスタンで、タリバン構成員による性的暴行の告発や、特定個人の詳細が流布するのはまれ。

 エラハさんは動画で「2月に、内務省報道官だったサイード・ホスティに内務省の建物内で強制的に結婚させられた」「殴られ、レイプされた。どうしたらいいか分からなかった」と涙ながらに語った。2人が知り合った経緯には触れていない。

 アフガニスタン軍幹部の娘だというエラハさんは逃亡を試みたが、パキスタンと国境を接するトルカム(Torkham)で拘束され、首都カブールの刑務所に入れられた。ホスティ氏から謝罪を求められ、拒否すると殴られたという。

 エラハさんがこの動画をどこから投稿し、現在どこにいるのかは不明。

 ホスティ氏はツイッター(Twitter)でエラハさんの訴えを否定。「彼女には信仰に関する問題がいくつかあった。話し合いや助言を通じて矯正を試みたが、駄目だった」と主張した。

 また、エラハさんが望むなら自分を訴えることもできるとし、「イスラム首長国のムジャヒディン(イスラム戦士、Mujahideen)と国民に謝罪する。神のお許しを」と続けた。

 タリバンの最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師は昨年、「強制や圧力によって女性に結婚を無理強いした」場合、厳しい措置を取るよう命じている。(c)AFP