【9月2日 AFP】アフリカ南部ジンバブエで、約2億3000万年前に生息していたアフリカ最古の恐竜の化石が発見された。

 古生物学者らのチームによると、ムビレサウルス・ラーティ(Mbiresaurus raathi)と名付けられた恐竜は長い尾を持ち、体高わずか1メートルほどで、体重は最大30キロ。

 ムビレサウルス・ラーティの名は、化石が発掘されたジンバブエ北東部ムビレ(Mbire)郡と、域内で最初に化石を発見した古生物学者マイケル・ラート(Michael Raath)氏にちなんでいる。

 ムビレサウルス・ラーティの骨の化石を初めに見つけた研究者クリストファー・グリフィン(Christopher Griffin)氏(31)は1日、「恐竜は二足歩行で、頭部はかなり小さかった」とAFPに語った。恐らく雑食で、竜脚形類に属するとみられるという。

 グリフィン氏は発掘当時、米バージニア工科大学(Virginia Tech University)の博士課程に在籍中で、現在は米エール大学(Yale University)で研究を行っている。

 化石は、ジンバブエ、ザンビア、米国の研究チームにより、2017年と19年の2回の発掘調査で発見された。

 研究結果は8月31日、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 これまで、同時代の恐竜の化石は南米とインドでしか発見されていなかった。

 全大陸が一つにつながっていた超大陸パンゲア(Pangea)の時代に、化石が発見された現在の南米とほぼ同じ緯度に位置することから、ジンバブエが発掘場所として選ばれた。

 ブラジルのサンパウロ大学(University of Sao Paulo)のマックス・ランガー(Max Langer)氏は「ムビレサウルス・ラーティは、ブラジルやアルゼンチンで発見された同時代の他の恐竜と非常によく似ており、南米とアフリカが三畳紀後期に地続きの大陸の一部であったという説を裏付けている」と述べた。

 グリフィン氏は「今回の発見により、初期の恐竜の生息範囲が広がった」と述べた。(c)AFP