【9月2日 People’s Daily】中国浙江省(Zhejiang)直属の建築設計会社で設計士を務める金宇航(Jing Yuhang)さんは、会社とは別にもう一つの仕事を持つ。杭州市(Hangzhou)臨安区(Lin’an)天目山鎮(Tianmushan)の各地でまちづくりを指導する「駐在プランナー」だ。「週末に農村で過ごすのが、私の生活サイクルになっています」。2018年10月に駐在プランナーに就任して以来、杭州の市街地から80キロ離れた天目山鎮まで車を走らせている。

 天目山鎮白鶴村では、長江の水郷風景とマッチした新しい家々がたたずんでいる。家の構想から設計、建設まで、金さんが指導した。新築した1人、王志洪(Wang Zhihong)さんは「最近、空き部屋を賃貸しし、3か月で6000元(約12万1800円)近い収入を得ました」と笑みを浮かべ、金さんが村を訪れると温かく迎えている。

 天目山鎮の趙海峰(Zhao Haifeng)副鎮長は「かつて一部の村では高層で幅のある農村住宅を建て、景観を乱したり建物が道路にはみ出したりしました」と振り返る。浙江省は2017年から、地域の景観やニーズに合ったまちづくりをする駐在プランナーを派遣。臨安区では13鎮の222村で新しい住宅計画が実行されている。

「まちづくりはオフィスに座って考えていてはできません。現場に行くことによってのみ、価値のある提案を思いつくことができます」と話す金さん。2021年初め、天目山鎮では廃校の校舎を取り壊し、住民センターを建設する計画が立てられた。金さんは現地調査後、校舎を残したまま補強し、エレベーターなどを設置することを提案。工事期間を短縮し、コストも削減してセンターを設立した。その過程で金さんは繰り返し現地を訪れ、「道路の勾配は何度ですか?」「子どもの遊び場の柵の高さは?」と細部まで確認した。

 天目山鎮の月亮橋村では、山と川に囲まれた趣のある民宿がある。こちらも金さんが計画から緑化用の樹種の選定まで関わった。2021年、月亮橋村は20万人以上の観光客を迎え、村の収入は100万元(約2030万円)を超えた。

 金さんは常駐プランナーとして50件を超えるプロジェクトに携わった。常に住民の意見を取り入れながら計画を立て、コストも200万元(約4060万円)以上節約した。浙江省は金さんのような常駐プランナーを約1100人採用。杭州市内の118鎮で活動し、美しい田園風景を生み出している。(c)People’s Daily/AFPBB News