【9月2日 AFP】パキスタンで深刻な被害をもたらしている洪水について、欧州宇宙機関(ESA)は1日、平年の10倍の降雨量が原因となったとの見解を示すとともに、インダス(Indus)川の氾濫によって生じた広大な「湖」の衛星画像を公開した。

 同国では、6月から続くモンスーン(雨期)の豪雨が引き起こした洪水で、これまでに少なくとも1190人が死亡。広範囲の農地が水没し、家屋100万戸以上が損壊した。

 ESAは、救助活動を支援するため、地球環境モニタリング計画「コペルニクス(Copernicus)」の衛星データを使用して宇宙から洪水の規模を測定したと発表。6月中旬以降の降雨量は「通常の10倍」であり、これが国土の3分の1を水没させる洪水を引き起こしたと説明した。

 ESAはさらに、南部ラルカナ(Larkana)とデラムラードジャマリ(Dera Murad Jamali)の間で、氾濫したインダス川が「幅数十キロの長い湖を事実上形成」している地域の衛星写真を公開した。

 パキスタン当局によると、同国の7人に1人に当たる3300万人以上が被災しており、復興には100億ドル(約1兆4000億円)以上を要する見通し。国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「気候大災害」だとして、1億6000万ドル(約224億円)の緊急支援を各国に呼び掛けている。(c)AFP