【9月1日 AFP】米海洋大気局(NOAA)は8月31日、大気中の温室効果ガスの濃度と海面水位が昨年、過去最高を記録したとする報告書を発表した。気候変動が温室効果ガス排出量抑制の努力を上回るスピードで進んでいることが示された。

 化石燃料由来の温室効果ガスの排出量は2020年、新型コロナウイルスの世界的な大流行による経済活動の停滞で減少していた。だがNOAAの年次報告書「気候の現状(State of the Climate)」によると、21年の濃度は前年比2.3ppm増の414.7ppmで、「少なくとも過去100万年間で最高」となった。海面水位は10年連続で上昇し、衛星による観測が始まった1993年の平均値を97ミリメートル上回り過去最高となった。

 NOAAのリック・スピンラッド(Rick Spinrad)局長は「今回の報告書で示されたデータは明確だ。気候変動が地球規模の影響を生み、減速する様子がないという説得力のある科学的証拠が出続けている」と指摘した。(c)AFP