【9月2日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州理塘県(Litang)の曲登郷は標高が4500メートルを超える。同郷には1軒の敬老院(高齢者介護施設)があり、高齢者26人と介護スタッフのザロ(扎洛)さん(24)が暮らしている。

 曲登郷敬老院は、同自治州民政局と中国共産党理塘県委員会、同県政府の強力な支援を受け、600万元(1元=約20円)を投じて2017年に着工した。

 18年10月の建物完成後、床暖房の設置やサンルームの増築、酸素発生器などの基本設備の追加を行い、19年に最初の入居者11人を迎え入れた。

 曲登郷渾査村に住むザロさんはシングルマザーで、開所後、最初の公益介護スタッフに応募した。

 20年3月のある日、入居者のダルオ(得落)さんが物を取りに台所へ行った際に滑って転倒し、下腿骨を骨折した。雅安市天全県に搬送され手術を受けることになり、ザロさんは付き添いを申請した。子どもの面倒を見なければならないが、それでもためらいなく高齢者の世話をすることを選び、幼いわが子は両親に預けた。

 ザロさんはこれまで4年間、敬老院で働き続けている。この間、何人ものボランティアがやって来たが、標高が高く、環境が厳しいため、数カ月以上続いた人はおらず、ザロさんだけが働き続けている。(c)Xinhua News/AFPBB News