【8月31日 AFP】旧ソ連最後の指導者、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領が30日、病気のためモスクワで死去した。91歳。ロシアのメディアが報じた。「ペレストロイカ(改革)」や「グラスノスチ(情報公開)」を推進したが、ソ連崩壊を早める結果となった。東西冷戦(Cold War)の終結に貢献したことなどが評価され、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞した。

 報道によると、入院先のモスクワの病院がゴルバチョフ氏について「今夜、重篤で長期にわたった病気のため死去した」と述べた。

 1985~1991年に政権を担った。核軍縮を進め、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)米大統領(当時)と共に中距離核戦力(INF)廃棄条約に調印した。

 1989年にベルリンの壁が崩壊した際には、武力介入を控えた。冷戦時の東西分断を象徴する「鉄のカーテン(Iron Curtain)」の消滅につながった。西側では受けは良く、「ゴルビー」の愛称で呼ばれた。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との関係は良好とは言えなかった時もあった。しかし、ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、「(プーチン氏は)あすの朝、(ゴルバチョフ氏の)家族と友人宛てに弔電を送る予定だ」と語った。

 ここ20年間は政治的な言動は控えていたが、2014年のロシアによるクリミア(Crimea)半島併合、今年に入ってからのウクライナ侵攻をきっかけに米国との関係が冷戦時並みにまで悪化しているのを受け、ロシア、米国両政府に関係修復を呼び掛けていた。(c)AFP