【8月30日 CGTN Japanese】中国の石油化工大手・中国石化(シノペック)は29日、斉魯石化・勝利油田100万トン級二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)プロジェクトでガス注入作業が始まり、正式に稼働したことを発表しました。

 CCUSとは、生産過程で排出された二酸化炭素を回収・精製した後、新たな生産過程に投入して再利用または貯留するものです。

 同プロジェクトは現時点で国内最大のCCUS全産業チェーンの試行拠点で、その操業開始は中国でCCUSの商業運転が開始されたことを意味します。このプロジェクトは毎年、900万本の植樹に相当する100万トンの二酸化炭素の排出を削減する見通しです。

 同プロジェクトでは、山東省(Shandong)淄博市(Zibo)にある斉魯石化が回収した二酸化炭素を同じ山東省内の勝利油田に輸送し、フラッディング(油層に二酸化炭素を注入して油田の油回収率を向上させる技術)を行った後に貯留する二酸化炭素の回収、利用、貯留が一体化されます。

 現在、二酸化炭素は車両による陸上輸送で勝利油田まで運ばれ、利用・貯留されていますが、中国石化の計画では、勝利油田までの100キロ余りのパイプラインが年内に稼働する見込みで、そうなれば国内初の二酸化炭素超臨界圧長距離パイプライン輸送が可能となり、生産・輸送・利用というCCUSの全過程が完全密閉状態で実現することが見込まれています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News