【8月30日 AFP】ロシア政府はウクライナに投入する兵士を増員するため、募集対象を受刑者にまで広げているが、新兵の多くは年齢が高く、体格も見劣りし、訓練不足のようだ。米国防総省高官が29日、匿名を条件にAFPに語った。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は25日、兵士を増員する大統領令に署名。来年1月までに軍の規模を約10%増の115万人体制にするとしている。

 ロシアはウクライナへの侵攻開始から半年で多数の兵士を失った。同高官によると、米国防総省は「歴史的に見てロシア軍が人員・戦力面での目標を達成できたことはなく、(増員計画が)成功する公算は小さい」とみている。

 ロシアは増員に向けて年齢上限を撤廃し、受刑者にも募集をかけている。同高官は「そうして採用した新兵の多くは年齢が高い上、頑健ではなく、まともな訓練を受けていないとみられる」と指摘した。

 米国防総省は、増員されたとしても、今年末までにロシア軍全体の戦力の底上げにつながる可能性は低いと結論付けているという。(c)AFP