【8月30日 AFP】イラクの首都バグダッドで29日、政府庁舎や在外公館があり厳重な警備が敷かれている中心部のグリーンゾーン(Green Zone)に砲撃があった。治安筋が明らかにした。イスラム教シーア派(Shiite)指導者ムクタダ・サドル(Moqtada Sadr)師の政界からの引退表明を受け、支持者が政府庁舎に突入するなどの騒乱が発生しており、死者は15人に上った。

 匿名で取材に応じた治安筋は29日夜、グリーンゾーンに少なくとも7回の砲撃があったと述べた。いずれの勢力が砲撃したかは不明。砲撃の後には銃撃が続いた。

 同筋によると、サドル師の支持者がグリーンゾーンの外から内に向けて発砲した。グリーンゾーン内の治安部隊との銃撃戦にはなっていないという。

 AFP特派員によると、グリーンゾーンではこれに先立ち別の発砲があった。医療関係者によると、サドル師支持者15人が撃たれて死亡、350人が被弾したり催涙ガスを吸い込んだりして負傷した。

 目撃者は、サドル師派と、対立する親イランのシーア派連合「調整枠組み(Coordination Framework)」の支持者との間で銃撃戦になったと語った。

 「調整枠組み」は「国家機関に対する攻撃」だとして非難。サドル師派に「対話」に応じるよう求めた。(c)AFP/Guillaume Decamme