【8月29日 AFP】インドの首都ニューデリー郊外ノイダ(Noida)で28日、違法建築に当たるとされた超高層住宅2棟が爆破解体された。

 超高層住宅「ツインタワーズ(Twin Towers)」は高さ100メートルで、それぞれ32階建てと29階建て。政府が、不正を行った開発業者や公務員に対し見せしめのため厳しい措置を取るのはまれ。

 ツインタワーズをめぐっては、9年に及ぶ法廷闘争を経て最高裁判所が昨年、高層住宅の安全基準に違反しており、開発業者と当局が不正に関与していたとの判断を示した。

 総戸数1000戸近くに上るが、これまで誰も入居したことはなかった。爆破前には、近隣の高層ビルの住民数千人と野良犬が避難した。その中にはツインタワーズからわずか9メートルの位置にある住宅も含まれていた。

 地元メディアによると、爆薬3700キロを使用し、爆破解体としては国内史上最大規模。2棟は数秒で解体された。

 これまでにけが人や付近の建物への損傷は報告されていない。

 急速な経済成長を続けるインドでは、ここ20年建設ラッシュが起きており、これに関係する政治家や官僚、大手建設会社の汚職が増加している。

 開発業者は建設や都市計画、環境に関わる規制を回避しても、罪に問われないことが多い。

 首都をはじめとして西部ムンバイ(旧ボンベイ)や南部ハイデラバード(Hyderabad)といった大都市郊外では、いつまでも完成しなかったり、今回のように法廷闘争となったりする不動産に投資してしまう中間層が後を絶たない。

 デリー郊外に位置するノイダやグレーターノイダ(Greater Noida)では、開発業者が建設を放棄した高層住宅が100棟以上あると推定されており、ゴーストタウンと化している。(c)AFP