【8月29日 CNS】中国西部の重慶市(Chongqing)沙坪壩区(Shapingba)に住む21歳の女性、陳(Chen)さんが脳出血で急死し、遺族は多くの人の命を救うため彼女の臓器の提供を決断した。

 秋から重慶交通大学(Chongqing Jiaotong University)の大学院に通うことが決まっていた陳さんは8月2日夕方、食事中に激しい頭痛が起こり、陸軍軍医大学(Army Medical University)西南病院に搬送された。病院はすぐに治療したが、大量の脳出血のため帰らぬ人となった。

 父親の陳小勇(Chen Xiaoyong)さんは「娘は勉強にとても疲れていて、外に出かけることもありませんでした。大学の勉強が終わり、次の土曜日に私と貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)に遊びに行く予定だったんです」と語った。

 父親は悲しみに暮れながら、娘の臓器を提供することを家族と話し合った。「彼女の人生がこの世界で続き、多くの人が彼女を忘れないでほしいと願ったのです」。重慶赤十字社と西南病院を通じ、陳さんの肝臓と肺、2つの腎臓が提供された。今年に入り、重慶市で100回目の臓器提供となった。

 重慶赤十字社臓器提供管理センターの桂家帥(Gui Jiashuai)さんは「彼女のおかげで、臓器提供を待っていた4人の患者を救うことができました」と感謝する。陳さんの兄は「妹の最大の願いは、卒業後に社会を広く知ることでした。臓器を提供することで、妹の人生が続き、違った形で花を咲かせることができると思っています」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News