【8月28日 AFP】英国の故ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)の愛車だった「フォード・エスコート(Ford Escort)」が27日、元妃の交通事故死から25年を前に競売に掛けられ、73万7000ポンド(約1億1900万円、手数料込み)で落札された。

 黒い車体に青い線の入ったスポーツ車仕様のエスコートRSターボS1は、ダイアナ元妃が1985~88年に乗っていた車で、走行距離4万キロ。自ら運転してロンドン市内の店やレストランを訪れる姿を頻繁に撮影されており、後部座席にウィリアム王子(Prince William)を乗せた写真も撮られている。

 元妃は、王室所有のロールスロイス(Rolls-Royce)やダイムラー(Daimler)といった重厚な車での移動より、マイカーを好んだ。エスコートは高級車ではなく、自動車情報サイトによれば計410万台以上を売り上げた、当時の英国の人気車種。競売の主催者は、王室メンバーとして「最も大胆な車の選択」だったと述べている。

 ただ、元妃所有のエスコートは特注で、世界唯一の黒塗り版とみられている。

 英ウォリックシャー(Warwickshire)州のシルバーストーン・オークションズ(Silverstone Auctions)で行われた競売では、英、米、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイから参加した買い手が白熱した入札合戦を繰り広げた。落札者は、サッカー・プレミアリーグの選手が多く住むことで有名なイングランド北部の高級住宅地アルダリーエッジ(Alderley Edge)在住だという。

 ダイアナ元妃への関心は、死後25年が経過した今も衰えることなく、米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の英王室ドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」の人気も相まって高まっている。

 元妃の所有していた車では、81年にチャールズ皇太子(Prince Charles)から婚約の記念として贈られた銀色のフォード・エスコートが昨年競売に掛けられ、5万2640ポンド(約850万円)で落札されている。(c)AFP