【8月26日 AFP】スペイン議会は25日、明示的な同意のない性行為をレイプと定める刑法改正案を賛成205、反対141で可決した。2016年の悪名高い集団レイプ事件が国民の激しい怒りを買ったことを受け、左派政権が進めてきた取り組みの一環。

 改正案は「同意とは、当人が各状況において、自身の意思を明確に示す行動を通じて自発的に示した場合にのみ認められる」としている。

 これまでレイプと認められるためには、被害者側が暴力や脅迫を受けたことを証明しなければならなかったが、イレネ・モンテロ(Irene Montero)男女共生相は「今後は女性が暴力や脅迫を受けたことを証明する必要はなくなる」と述べた。

 この問題は、2016年に北部パンプロナ(Pamplona)で行われた牛追い祭りで、18歳の女性が「オオカミの群れ」を自称する男5人に集団レイプされた事件の争点となった。

 裁判官は、男たちのうち2人が犯行中に撮影した動画で女性が無言・無抵抗だった点を同意と解釈。男たちは当初、強姦(ごうかん)罪ではなくより軽い性的虐待罪で有罪判決を受けた。(c)AFP/Thomas PERROTEAU