【8月25日 AFP】動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は24日、2024年パリ五輪主催者の国際オリンピック委員会(IOC)に対し、高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが毛皮や動物の皮の使用停止に合意した場合に限り、スポンサー契約を結ぶよう圧力をかけた。

 英国に拠点を置くPETAは、毛皮や動物の皮の使用は残虐であると同時に、「伝染病の世界的な大流行のリスク」をはらんでいるとIOCに訴えた。

 主催者筋によると、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)やフェンディ(Fendi)といったブランドを抱えるLVMHは、パリ五輪にとって最後の主要スポンサーになる見込みだという。

 しかしLVMHは、高級ファッション界のライバルであるヴェルサーチェ(Versace)やシャネル(Chanel)、マイケル・コース(Michael Kors)、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)などに追随せず、コレクションにおける毛皮の使用を停止していない。

 PETA副会長のミミ・ベケッチ(Mimi Bekhechi)氏は、23日にIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長へあてた書簡の中で、「LVMHは現時点で責任ある行動を取っておらず、ミンクのコートやニシキヘビのかばんによって公衆衛生を危機に陥れ続けている」と記した。

「われわれは世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が奪った、恐ろしい数の命を知っており、こういった危険な産業を後押しする会社が次期五輪のスポンサーをするのは、良心に照らして受け入れ難い」

 現時点でLVMH側のコメントは得られていないが、同社は昨年9月にAFPに対し、毛皮製品への顧客の需要に応えるべく、傘下のブランドへの許可を続けていると述べた。(c)AFP