【8月25日 AFP】中国では記録的な暑さと干ばつが続いており、当局は今年の秋の収穫が「深刻な脅威」にさらされていると警告している。

 世界第2位の経済大国・中国は今夏、記録的な高温や鉄砲水、干ばつに見舞われている。科学者らは、気候変動の影響で、こうした現象の頻度と激しさが今後は増すとしている。

 農業農村省によると、南部では高温と少雨が、60年余り前の観測開始以来、最長となっている。

 政府は発表で「干ばつの急速な進行に加え、高温と熱による作物の損傷が重なり、秋の収穫に深刻な脅威をもたらしている」と説明した。

 中国は、国内で消費するコメ、小麦、トウモロコシの95%以上を自給している。収穫量が減ると輸入が増え、ウクライナ侵攻ですでに影響を受けている世界の食料供給がさらに圧力を受けることになる。

 最高気温が45度に達した地域もあり、都市部ではエアコンの使用が増えるなどして電力需要が急増。複数の省で停電が実施された。

 大都市の上海や重慶(Chongqing)では、屋外照明用の電力供給が停止された。四川(Sichuan)省当局は、主要な水力発電所の水位が下がったことを受け、産業向け電力供給を制限した。

 記録的な暑さで、国内の主要河川である長江(揚子江、Yangtze River)も干上がっている。国営通信社の中国新聞社(CNS)は先週、主流の水位が過去5年間の平均より50%下がっていると報じた。

 国際環境NGOグリーンピース・東アジア(Greenpeace East Asia)の気候・エネルギー専門家、劉君言(Liu Junyan)氏は「これまでで最悪の熱波で、急激に悪化している」「来年は記録的な猛暑になると予想される」とAFPに述べた。

 映像は重慶市の一部で干上がった長江(揚子江)や湖が干上がり水中から露出した九江(Jiujiang)市の寺院「落星墩」の他、涼むために地下街やショッピングモールにやって来た人々。23、24日撮影。(c)AFP/Jing Xuan TENG