【8月27日 People’s Daily】6月中旬、村人の呉紅奎(Wu Hongkui)さんは自宅の水田に行き、水稲の苗をよく確認しながら、「苗は順調に育っている。これから雨が降れば、問題なく豊作になるだろう!」と語った。

 7、8ムー(1ムー約667平方メートル)の水稲を栽培したが、呉さんは今年まだ野良仕事に出たことがない。「田畑を耕すことから、育苗、田植えに至るまで、すべて隣の六合垸村の常徳市昌源農作物栽培専門合作社(協同組合)に任せた。私は少しも苦労しなかった」と、呉さんは述べた。

 呉さんは中国中部の湖南省(Hunan)安郷県(Anxiang)南堤拐村に住んでいる。彼が言った合作社は、主に周辺の小・中・大規模の穀物農家を対象に、栽培、乾燥、貯蔵、加工、販売など、食糧生産の全プロセスの社会化サービスを提供するものだ。

「今年、私たちが依頼された耕地面積は少なくとも1万ムー(約667万平方メートル)以上あり、耕作の流れやプロセスで計算すれば、延べ10万ムー(約6670万平方メートル)相当に達した」と、合作社責任者の李智慧(Li Zhihui)さんは述べた。

 合作社の参画により、呉さんのような小規模農家は農業の苦役から解放された。「今は、水や肥料の状況を確認するために時々畑に行くほか、普段は水道や電気の工事やメンテナンスをしていて、畑仕事とアルバイトの両立ができるようになった」と、呉さんは述べた。昨年、呉さんは家族が日常必要とする食糧を十分に確保した上で、籾(もみ)を売って5000〜6000元(約10万〜11万9600円)を稼いだ。

 農業合作社の専門サービスは、小規模農家の時間と精力の節約につながり、中・大規模農家の高効率の土地利用にも貢献した。

 同時に、高品質の種籾(たねもみ)や先進的な農業機械、科学的農業技術の普及など、食糧生産の現代化発展の促進や、食糧生産の担い手のコスト節約と、生産・効率向上の促進の一連の措置は、各種農業社会化サービス組織の取り組みのもとで、湖南全域で実施されている。

 昌源農作物栽培専門合作社の育種基地で、水に浸して発芽させた高品質の種籾を、位置決め種まき機に連続投入すると、紙の上に整然と播種して束状に巻いた。これは、合作社が湖南農業大学(HUNAU)などとの共同研究による開発の、新型水稲機械化育苗栽培技術だ。「従来の播種・田植えに比べ、40~50%の種子を効果的に節約することができる。これだけでも農家の種子代を平均50~60元(約998〜1197円)節約できる」と、李さんは述べた。

「われわれは農業用ドローンを5台購入し、周辺農家の約2万ムー(約1334万平方メートル)の農地に植物保護サービスを提供している」と、耒陽市(Leiyang)金緑豊農機専門合作社の責任者の梁満緑(Liang manlv)さんは語った。耒陽市は、農業機械技術サービスチームを結成し、21社の農業機械専門合作社を頼りに農業機械作業補助金プロジェクトを推進・実施し、中国の農業社会化サービスイノベーション試行県に選ばれた。現在、同市では、水稲の耕作・播種・収穫の総合機械化率は81.8%となっている。

 現在、湖南省は24の県レベルの地区で農業社会化サービスの全県試行を実施している。「私たちは全省の「3夏(夏作物の刈り取り、秋作物の種子まき、収穫物の管理)」の生産の社会化サービス状況を調査した。4万3000の組織がサービス参加予定または参加済みで、その水稲のサービス面積は2962万3000ムー(約1.97平方キロメートル)にのぼり、食糧生産の増産効果を全力でサポートした」と、湖南省農業農村庁の担当者は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News