【8月26日 People’s Daily】毎週土曜日の夜、中国国家大劇院(NCPA)のオンライン公演は、定刻に観客と「対面」する。 2020年4月11日に初のオンライン公演を行って以来、コンサート、オペラ、ダンス、演劇、戯曲(ぎきょく、中国の古典的な演劇の一種)など多くの芸術ジャンルを含む120回以上のオンライン公演を行った。これまでのところ、国家大劇院オンライン公演シリーズのクリック回数は計34億回を超えた。

 オンラインで公演を見たり、コンサートを聴いたり、「クラウド」で展覧会を見たり、スマホアプリで戯曲をリクエストしたりするなど。今、デジタル文化の急速な発展とともに、ますます豊かになるデジタル文化活動や、続出するデジタル文化消費の新シーンが、利用者の文化体験を絶えず豊かにしている。

 2020年8月8日、国家大劇院の「華彩秋韻」オンライン公演シリーズのファーストコンサートが、世界で初めて「8K+5G」ライブ配信を行った。8Kの超高精細(4K)映像で、役者の髪の毛や汗の玉まではっきりと見えるようになった。国家大劇院クラシック音楽チャンネルは、視聴覚技術を常に更新し、Androidクライアント端末とPCサイトに「没入型ヘッドセット」と「没入型スピーカー」という2種類のバーチャルパノラマサウンド特殊効果を特別に増設することで、視聴者に最高の視聴覚体験をもたらした。

 メッセージアプリの微信(ウィーチャット、WeChat)を開き、「中国大運河博物館」のチャンネルをクリックし、特別展「中茲神州─絢爛たる唐代洛陽城」のミニドキュメンタリーのショート動画をまた更新した。江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)で働く周芳(Zhou Fang)さんは、スマートフォンを使い、いつでも揚州(Yangzhou)の中国大運河博物館を「見学」し、最新のショート動画を「存分に楽しむ」ことができる。

「このシリーズのショート動画は、1つのテーマに焦点を当て、1話数分しかない。洛陽の文化財の物語から、どのように出土し、揚州に運ばれたか、梱包・展示されたかに至るまで、そして現地訪問のVlogなどもある」と周さんは語った。統計によると、3月から現在まで、同博物館「洛陽城」シリーズのショート動画は、ウィーチャット、ウェイボー(Weibo)、抖音(Douyin)などのチャンネルで、20話近くが続々と公開され、ネットワーク全体での累計アクセス数は延べ800万回を超えているという。

 中国大運河博物館の鄭晶(Zheng Jing)館長は、オンライン展示はオフライン見学の補足と再創作であり、見学ルートを入念に設計するだけでなく、文学と歴史の知識を伝えなければならない。同時に、デジタル表現を運用することで、文化財の物語を「生かせ」、人と文化財の交流を「互いに補い合う」ようにすると述べた。

 現在、ますます多くの文化的消費が、従来のオフラインのシーンにとどまらず、時間、空間、コストの制約から人々を解放している。戯曲アプリ峰劇場は、一部の劇団と契約し、「戯曲+インターネット」を通じて、相手の代表的な演目を「クラウド」にアップロードする。6.6元(約131円)で戯曲のビデオを1本、9.9元(約197円)で生放送を1回視聴することができ、観客は家に居ながら好きな演目を楽しめるようになった。そして、人気演目はオフラインで公演を行うという。

 中央財経大学(CUFE)文化経済研究院の魏鵬(Wei Peng)院長は、日増しに進歩するデジタルインフラに伴い、デジタル文化産業の急速な発展は、中国の優れた伝統文化の伝承と発揚に役立つとみている。(c)People’s Daily/AFPBB News