【8月25日 AFP】(更新)米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は24日、国内の大学卒業者が返済中の学生ローンを1万ドル(約137万円)減免すると発表した。年間所得が12万5000ドル(約1700万円)未満であることが条件で、大半の大卒者が対象となる。

 バイデン氏は声明で、選挙公約に従って労働者や中間層を対象に「余裕を与える」と説明した。

 米国では、大卒者が抱える多額の教育負債が数十年にわたり問題となっている。バイデン氏の与党・民主党は11月の中間選挙で、学生ローン問題への対応をアピールすることで票の獲得につなげたい考え。

 今回の減免額は、ローンの完全免除という民主党の目標には遠く及ばないものの、野党・共和党は、すでに何年もかけてローンを返済した人々にとって不公平だとして、いかなる減免にも反対している。

 一般的な米大学の1年当たりの学費は1万〜7万ドル(約960万円)で、大卒者は社会人になると同時に多額の債務を負い、返済に数十年かかることもある。政府の推計によると、卒業時の平均負債額は2万5000ドル(約340万円)。ホワイトハウス(White House)によれば、全米で約4500万人が総額1兆6000億ドル(約220兆円)の学生ローンを抱えている。

 バイデン氏の発表によると、学生の経済状況に応じて政府が支給する補助金「ペル・グラント(Pell Grant)」の受給者が組んだ学生ローンについては、減免額が倍の2万ドル(約270万円)となる。新型コロナウイルスの流行を受けて設けられた学生ローンの返済猶予期間は、年末まで延長される。(c)AFP