【8月24日 AFP】タイ商務省は24日、国民生活に欠かせない重要な食品であるインスタント麺の値上げを認めると発表した。値上げは14年ぶりとなる。

 タイ経済は外国人観光客の受け入れが再開されたものの回復せず、14年間で最大のインフレと、ロシアによるウクライナ侵攻の余波にも見舞われている。

 インスタント麺の価格は政府により1袋6バーツ(約23円)が上限に設定されてきたが、主要メーカーはコスト上昇を理由に8バーツ(約30円)への引き上げを求めていた。

 商務省はAFPに対し、通常サイズの1袋の価格の上限を7バーツ(約27円)に引き上げることを確認した。25日から実施する。

 ワイワイ(Wai Wai)、マーマー(Mama)、ヤムヤム(Yam Yam)、スーサット(Sue Sat)と日清(Nissin)ブランドの即席麺メーカー5社は商務省に値上げを求めていた。

 ワイワイを展開するメーカー、タイ・プリザーブド・フード(Thai Preserved Food)の担当者は、「商品価格の上昇に直面している」と話した。小麦粉の価格は約20~30%値上がりしたほか、パーム油は倍になっているという。

 担当者は、コスト上昇の主因は小麦の主要供給国だったウクライナにロシアが侵攻したことだと指摘した。同社がインスタント麺を値上げするのは2008年以来という。

 メーカーは、原油価格や小麦価格の高騰により、輸出コストの上昇にも直面している。過去には、国内で自由に価格設定できないことから、利益を確保するために海外向けの出荷の方が多かった時もあった。しかし、コスト上昇のため、海外販売も採算が合わなくなっているという。(c)AFP